マッシュルームに旬はある? 選び方と保存方法も解説

「マッシュルーム」は多くの料理に使われる食材です。それだけに、このきのこの魅力を最大限に活かす方法が求められます。特に、「ブラウン」や「ホワイト」といった種類によって、その特性や使い道が変わってくるのが興味深い点です。また、新鮮なマッシュルームは生で食べられますが、そのままでは日持ちしないため、おいしく食べるためには適切な保存方法も知っておく必要があります。

本記事では、マッシュルームの基本的な知識から、ブラウンとホワイトの違い、そしておいしいマッシュルームの選び方まで、この食材をさらに楽しむための情報を解説します。

マッシュルームの概要

マッシュルームは、その可愛らしい形状と独特の風味で、世界中で愛されています。特にアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど多くの地域で栽培されており、世界で最も生産されているキノコとされています。

マッシュルームは、地域によってもその特性が異なります。たとえば、ヨーロッパ産のものは薫りが強く、アジア産のものはより繊細な味わいがあります。これは気候や土壌、栽培方法によっても大きく影響されるため、同じ「マッシュルーム」といっても多様性は非常に高いです。

マッシュルームには、うま味成分のひとつであるグアニル酸が含まれており、これがシイタケの3倍もあると言われています。このため、マッシュルームは料理に深みを与える素材として非常に優れています。特に新鮮なものは生食も可能で、サラダや前菜に使うとその風味が際立ちます。

ブラウンとホワイトの違いは?

マッシュルームには主に「ホワイトマッシュルーム」と「ブラウンマッシュルーム」の菌種が異なる2種類が流通しており、さまざまな違いがあります。

一番わかりやすい違いは色で、その名のとおりホワイトマッシュルームは白く、ブラウンマッシュルームは茶色です。
形状にも違いがあり、ホワイトマッシュルームは丸みを帯びているのに対し、ブラウンマッシュルームはやや扁平です。
風味と香りにも違いがあります。ホワイトマッシュルームはマイルドな風味で、ブラウンマッシュルームは香りが強く独特の風味があります。この特性から、ホワイトマッシュルームはサラダやスープなど、ブラウンマッシュルームはソテーや煮込み料理などによく用いられます。
栄養成分においては、ホワイトマッシュルームはビタミンDが豊富で、ブラウンマッシュルームはセレニウムや鉄分が多く含まれています。

マッシュルームの旬とは

マッシュルームの旬の時期は10月〜12月とされていますが、人工的に栽培・出荷されているものがほとんどのため、一年を通して多く流通しています。美味しく食べることを目的とするのであれば、旬の時期よりも鮮度を重視したほうが正解と言えるでしょう(見た目で選ぶ方法は後述します)。

東京都中央卸売市場の令和4年9月〜令和5年8月のマッシュルームの取扱量は、令和5年6月が最多の127,936kg、次に令和5年3月の122,790kg、令和4年12月の117,896kgと続きます。最多だけ抜き出すと春と秋に旬があるように見えますが、最少の令和5年8月でも104,388kgとそこまで差なく、前述のとおり通年多く流通しています。

ただし、平均価格の最高額は令和4年12月の1,138円で、最低額は取扱量で最多だった令和5年6月の827円と顕著に差が出ています。

特に美味しいマッシュルームの選び方

マッシュルームは多種多様な料理に使える万能食材ですが、その美味しさを最大限に引き出すためには、選び方が非常に重要です。しかし、スーパーなどで目の前に陳列された多くのマッシュルームから、どれを選べばいいのか迷うことも少なくありません。そこでここでは、旬のマッシュルームを選ぶ際のポイントを詳しく解説します。

見た目で判断するポイント

旬のマッシュルームを選ぶ際には、見た目が非常に重要な判断基準となります。特に色、形状、大きさはその品質を知る上で基本的な要素です。

まず、色についてですが、旬のマッシュルームは色が鮮やかであり、ホワイトマッシュルームは真っ白、ブラウンマッシュルームは深い茶色をしています。色が褪せていたり、黒ずんでいるものは避けるようにしましょう。
次に形状です。良いマッシュルームは形が整っており、特に傘の部分が綺麗な円形をしているものが望ましいです。また、軸が太く短いとさらに良いでしょう。
表面の質感もチェックポイントの一つです。新鮮なマッシュルームは表面が滑らかで、ベタベタしていないものが良いとされています。
硬さも考慮に入れましょう。硬く締まっているもののほうが新鮮です。

以上のポイントを押さえて選ぶことで、マッシュルームをより美味しい状態で楽しむことができます。

マッシュルームの保存方法

マッシュルームは、水分に弱く、風味が落ちやすい食材です。そのため、保存方法には注意が必要です。

冷蔵保存

冷蔵保存では、以下の手順を踏んで保存するようにしてください。

  1. マッシュルームの表面についた汚れやほこりをキッチンペーパーなどで拭き取る。
  2. 湿気を防ぐためにラップなどで包み保存する。

汚れをとるために水で洗わないように注意してください。2〜5℃くらいが最適です。

冷凍保存

冷凍保存であれば1カ月ほど保存できます。

  1. 石づきを切り取る
  2. マッシュルームを好みの大きさにカットする。
  3. レモン汁を切り口にかける。
  4. 冷凍用保存袋に入れて、空気を抜いて冷凍する。

マッシュルームは黒く変色しやすいですが、切り口にレモン汁をかければ変色を防げます(ヒダが黒い場合は腐敗ではなく、成熟しているためです)。

また、冷凍したマッシュルームは生食できません。加熱して食べましょう。

栄養価と健康効果

マッシュルームは、一見シンプルな食材に見えますが、その内部には多くの栄養素が詰まっています。ビタミンからミネラル、さらには食物繊維まで、多角的な栄養価を持つこの食材は、健康維持に非常に有用です。
ここでは、マッシュルームが持つ栄養価と、それがもたらす健康効果について詳しく解説します。季節に応じてマッシュルームを選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。

h3: 主要な栄養素

マッシュルームは見た目以上に栄養価が高い食材です。特に、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。以下に、生の状態のマッシュルームに含まれる主要な栄養素について詳しく解説します。

ビタミン類

  • ビタミンB1: 0.06 mg
  • ビタミンB2: 0.29 mg
  • ナイアシン: 3.0 mg
  • ビタミンB6: 0.11 mg
  • 葉酸: 28 μg
  • パントテン酸: 1.54 mg
  • ビオチン: 11.0 μg
  • ビタミンD: 0.3 μg

ビタミンB群はエネルギー代謝に必要な成分であり、特にビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。また、ビタミンDは骨を丈夫にする作用があります。

ミネラル類

  • ナトリウム: 6 mg
  • カリウム: 350 mg
  • カルシウム: 3 mg
  • マグネシウム: 10 mg
  • リン: 100 mg
  • 鉄: 0.3 mg
  • 亜鉛: 0.4 mg
  • 銅: 0.32 mg
  • マンガン: 0.04 mg
  • セレン: 14 μg

カリウムは高血圧予防に、カルシウムは骨や歯の健康に、リンは骨や細胞の機能に重要です。また、セレンは抗酸化作用があり、老化防止や免疫力向上に寄与します。

その他

  • たんぱく質: 2.9 g
  • 脂質: 0.3 g
  • 炭水化物: 2.1 g
  • 食物繊維: 2.0 g

たんぱく質は身体の修復や成長に必要な成分であり、食物繊維は便通を良くする効果があります。

成分量出典:食品成分データベース(文部科学省)

見たことある? 10cmを超えるジャンボマッシュルーム

マッシュルームと言えばコロコロとした小ぶりのきのこというイメージがありますが、さらに成長を続けたジャンボマッシュルームと言われるものも時々見かけます。なかには10cm〜15cmほどまで成長するものも!
通常サイズと品種は同じですが、放っておけばすべてのマッシュルームがここまで育つわけではなく、大きくなるものを見極めて育てるようです。

その肉厚ぶりを活かしたステーキや天ぷらにして食べると絶品です。

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