「ReproのちょっとしたTipsと注意点その1」でも少しふれましたが、Reproで調理していると、たまにアラームが鳴って、コントロールが外部センサーから本体センサーに切り替わっていることがあります。
今回は、2023年12月18日リリースのプログラム・アップデートで新たに追加された設定機能も含めて、この「外部センサー→本体センサー自動切り替わり問題」についてご説明します。
この現象が発生するとき、センサー切替スイッチのLEDが、外部センサーを示す青色から本体センサー稼働中の赤色へ変わります。
原因は主に、以下の2つが考えられます。
(1)無線外部センサーを使って調理している最中に近くで電子レンジなどを使用した。
(2)フルスロットルで加熱しているにも関わらず、なかなか温度が上がらなかった。
【(1)の原因】
無線外部センサーはBluetoothでRepro本体と通信しています。そのため電磁波障害が発生し、通信が遮断されると、Reproは「通信断」を検知して、調理を継続するために測温を本体センサーに移行(フェイルオーバー)します。逆にいえば、それほど電子レンジの電磁波は強いのです。
この場合は、電子レンジが止まって、無線外部センサーの白色LEDが点滅→連続点灯に変わったことを確認してから、センサー切替ボタン(上下矢印アイコン)をタップすれば、元の無線外部センサーにコントロールが戻ります。ちなみにオプション品の有線外部センサーは電磁波障害に強いので、このパターンは発生しません。
【(2)の原因】
(2)はRepro本体がフルスロットルで加熱しているにも関わらず、外部センサーで測っている水温(煮汁の温度)の上昇速度が、ある一定の「しきい値」より低い場合に発生します。Reproは「外部センサーの温度測定に何らかの不具合が生じたのではないか?」と判断し、これも自動的に本体センサーへコントロールを移行(フェイルオーバー)します。
なのでこのパターンは、無線外部センサーだけでなく有線外部センサーでも発生します。
では、外部センサーで測っている水温上昇速度が、ある一定以下になるのはどんな時でしょうか?
(A)外部センサーが鍋から外れている。
(B)鍋で加熱しているうちに煮汁が蒸発して、外部センサーが液面の上に露出してしまった。
(C)前の晩から冷蔵庫に保存して固まったカレーなどの鍋に外部センサーを刺して温め直そうとした。
(D)氷水を加熱しようとした。
(E)かなり大容量の寸胴鍋いっぱいのスープやだしを取ろうとした。
(F)極めて熱伝導率が高いなど、IHで温度が上がりにくい特殊な素材の鍋を使用した。
だいたい考えられる原因は主にこの6つでしょう。
そもそもこのフェイルオーバー機能は、(A)や(B)のパターンでの安全装置として設計されています。しかしReproは一定時間内の温度上昇速度をモニターしているので、それがあまりに遅いと、原因は(A)(B)なのか(C)(D)(E)(F)なのかを識別することはできません。
ちなみに(A)(B)の場合は、きちんと外部センサーをセットしたり、煮汁の液面が外部センサーの液面マーカーより上に来るようにセットしてからセンサー切替ボタンをタップすれば、青色LEDが表示され、コントロールが外部センサーに戻ります。
(C)(D)の場合も、対流が少しずつ始まり粘性が低くなってくるか(40〜60℃くらいでしょうか)、氷が溶け切るまで加熱すれば、センサー切替ボタンをタップして外部センサーにコントロールを戻せます。(それより前にセンサー切替ボタンをタップしても、すぐにまた本体センサーにコントロールが戻ってしまい、何度もボタンをタップしなければならなくなります…)
(E)の場合は、液量と目標温度によっては、かなり高温にならないとセンサー切替ボタンをタップしても本体センサーに戻ってしまい、またボタンをタップする、という作業を繰り返す必要があります。
(F)の場合も、液量と目標温度によりますが、どんな料理を作り、どのタイミングでフェイルオーバー機能が発動するかは、その素材によって未知数です。
フェイルオーバー機能ON/OFF設定
そこで、プログラム・アップデート(20231212-1209)で追加された新機能「フェイルオーバー機能ON/OFF設定」の登場です。
まずはRepro公式アプリを使って、Repro本体のプログラム・アップデートを行ない、「20231212-1209」というプログラムにバージョンアップしましょう。プログラム・アップデートの方法は、公式サイトの「初期設定ページ」の下の方に詳細な説明がありますので、それをご参考に。
プログラムが最新のものにアップデートされたら、Repro本体のコントロール・ディスプレイ(LED画面)を操作しましょう。TOP画面>セッティングモード>機器基本設定 を選択し、
アップ・ダウンボタンで下の方へスクロールすると、一番下に「フェイルオーバー機能」という項目があるので、OKボタンをタップします。
デフォルトは「ON」になっているはずです。もし上記(C)〜(E)の理由で「フェイルオーバー機能を一時的に止めたい」という場合には、これをOFFにしてください。
ただし、この機能をOFFにすると(A)や(B)の場合にもフェイルオーバー機能が働かなくなるので、注意しないと煮汁がグツグツに煮立ってしまうというような事態が発生するのでご注意ください。
また(C)〜(F)のような作業が普段は発生しないのであれば、作業後には、この機能を「ON」に戻しておくことを強くお勧めします。
ラーメン屋さんやおそば屋さんなど、数時間にわたって大量のだしを取ったり、フレンチで大量のスープを作るなどという目的に特化している場合は、常時OFFにしておくとかなり便利になると思いますが、くれぐれも「自己責任」でお願いします。