さといもの旬はいつ? 旬の時期を知って美味しく楽しもう

さといもは、煮たり揚げたり炒めたり、幅広く料理できる食材です。なるべくおいしくいただきたいとなると、気になるのは「旬」の時期。

本記事では、さといもの旬について解説します。旬の時期はいつなのかだけでなく、さといもを多く出荷しているランキングで1位の都道府県はどこなのかなど、データも用いてご紹介。さといもに関する知識をぜひ深めてください。

さといもの旬とは

さといもは、日本各地で栽培されている多年生の根菜です。「親いも」と呼ばれる大きな塊根から「子いも」「孫いも」が伸びて増えていきます。品種によって親いものみ、子いも・孫いものみ、両方を食べるものに分かれます。

ぬめりと独特の食感が特徴ですが、その美味しさを最大限に楽しむためには、旬の時期に食べることが重要です。ここでは、さといもの旬について、そしてその旬がどのように地域によって異なるのかを詳しく解説します。東京都中央卸売市場の統計や農林水産省のデータをもとに、さといもの旬の時期や主要な産地についても触れていきます。

旬と地域別の収穫量

東京都中央卸売市場の統計によれば令和4年度(令和4年4月〜令和5年3月)に最も入荷数量が多かったのは12月です。次点で10月、11月と続くのでさといもの主な旬は秋と言ってよいでしょう。ただし、品種別で見ていくと異なるものがあります。

品種名主な旬特徴など
石川早生8月〜9月ごろ九州から関東まで幅広く栽培されている小振りの品種。ぬめりが比較的強く、皮ごとゆでる料理「きぬかつぎ」に向く。
土垂9月〜10月ごろ関東でよく栽培されているさといもの品種。貯蔵性が良く、一年を通して出回っているため、最も代表的な品種といえる。煮崩れしにくい。
唐いも(とうのいも)11月〜1月ごろ「えびいも」とも呼ばれている高級京野菜。独特の食感とうま味がある。老舗京料理屋「いもぼう平野家本家」が考案した「いもぼう」にも使われている。
セレベス11月〜12月ごろインドネシアのセレベスから伝わったとされる品種。芽が赤いのが特徴。ぬめりが少なく、薄味の煮物向き。
たけのこいも10月〜11月ごろ特産地である宮崎県では「京いも」と呼ばれている。大きいもので60cm以上に成長する。
八つ頭12月ごろ子いもが親いもと分かれずにくっついた状態なのが特徴。おせち料理でよく使われる。
参考:野菜ブック(独立行政法人 農畜産業振興機構)

また、農林水産省が公表している令和3年産野菜生産出荷統計(確報)によれば、都道府県別のさといも出荷量TOP10は以下のとおりです。

  • 1位 :埼玉県/14,300トン
  • 2位 :千葉県/12,200トン
  • 3位 :宮崎県/11,400トン
  • 4位 :愛媛県/7,340トン
  • 5位 :鹿児島県/6,080トン
  • 6位 :栃木県/5,270トン
  • 7位 :神奈川県/3,650トン
  • 8位 :熊本県/3,350トン
  • 9位 :新潟県/3,160トン
  • 10位:愛知県/3,140トン

ただし産地によって収穫時期は異なり、たとえば埼玉県では10月中旬〜2月、千葉県では8月〜4月中旬とされています(独立行政法人 農畜産業振興機構調べ)。

旬のさといもの選び方

スーパーや市場でさといもを手に取ったとき、どういったポイントで選べば良いのか考えたことはありますか?

ここでは、そんな疑問に答えるために、旬のさといもを選ぶ際の具体的なポイントを詳しく解説します。

見た目で選ぶポイント

さといもを選ぶ際の見た目のポイントは、一見単純ですが、実は非常に重要な要素がいくつかあります。まず、さといもの「おしり」、つまり根元がしっかりと締まっているかどうかを確認しましょう。締まっているものは、新鮮であり、保存性も高いです。

次に、さといもの表面にある「縞模様」をチェックします。縞模様が等間隔であれば、それは成長が均等であり、味も一定である可能性が高いです。

また、泥がついているかどうかも重要なポイントです。泥がついているさといもは、保存に向いています。一方で、すでに洗われているものは、なるべく早く消費することが望ましいです。

以上のポイントを踏まえて、さといもを選ぶ際には、これらの要素をしっかりと確認することで、新鮮で美味しいさといもを手に入れることができるでしょう。

参考文献:JAグループ とれたて大百科

旬のさといもの保存方法

さといもは、その甘みと食感が多くの人々に愛されていますが、その特性上、保存が少々難しい食材でもあります。特に旬のさといもは、新鮮な状態で楽しむためには、適切な保存方法が必須です。冷蔵庫での保存は一般的ですが、その際に気をつけるべきポイントがいくつか存在します。

保存のコツ

さといもは乾燥に弱く、また寒すぎても暑すぎてもだめな作物です。農家では、秋に採れたさといもを畑の土の中で貯蔵することもあるようです。
家ですぐに食べない場合は、新聞紙などでくるみ、光が当たらない冷暗所で保存します。

夏場や真冬、または冷暗所が家にない場合は、冷蔵保存か冷凍保存が選択肢になります。
冷蔵保存にはいくつか注意が必要です。温度が低すぎると低温障害をおこし味が損なわれてしまうため、冷蔵庫の中では野菜室が最適な保存場所となります。
皮つきのまま保存するほうが乾燥を防ぎやすいです。皮をむいてしまうと、乾燥しやすくなり、質が落ちる可能性が高まります。もし皮をむいた状態で保存する場合は、ラップでしっかりと包んでから冷蔵庫に入れましょう。

前述の通りさといもは寒さに弱いですが、冷凍保存は問題ありません。冷蔵よりも長く保存でき、冷凍したさといもを電子レンジで加熱することで、皮が剥きやすくなるというメリットもあります。既にゆでてしまった場合も、ファスナー付き保存袋に入れてあげれば冷凍保存可能です。

旬のさといもの栄養と効用

ここでは、さといもに含まれる栄養成分とその効用について詳しく解説します。

栄養成分の詳細

さといもは低カロリーでありながら、食物繊維が豊富です。この食物繊維には、ガラクタンという成分が含まれています。このガラクタンとタンパク質が結合することによって、さといも特有のぬめりが生まれています。
ガラクタンは、腸の働きを活発にし、血糖値やコレステロール値の上昇を抑制する効果があります。

次に、さといもはカリウムが多く含まれています。カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出する作用があり、高血圧の改善に役立つとされています。

旬のさといもを食べることで、これらの栄養成分をおいしく、効率よく摂取しましょう!

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